政治経済

日本の資本主義の限界 反緊縮財政反グローバリズムに舵を切れ

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日本は第二次世界大戦が終わって以来急速に経済力を身につけました。
敗戦直後は国土の復興をさせて近代工業化を推し進めてきました。
その後、バブル経済を経てバブル崩壊によって、日本の経済力が衰えて極度のデフレ化をしてしまいました。

 

私は日本資本主義が制度疲労をしていて限界を迎えていることと、グローバリズムが幅を利かせていることが原因だと思います。
今回は私の経験も元に製造業と小売業の現状認識と今後の日本の経済復活するにはどうすればいいかを考えたいと思います。

日本の資本主義が限界を迎えている理由と復活のヒント

現在の日本はアベノミクスという経済政策によって経済成長していると主張しています。
自民党の最新のチラシを掲載いたしますので、安倍政権の成果を確認してみましょう。

うーん、素晴らしいですね。
こうして安倍政権の経済政策を見ていると、かなりの成果を上げているように思えます。
このチラシにはあらゆる指標が大幅に改善していますね。

 

このチラシを見ると日本はとても経済成長しているように見えますが、実際は景気の良さを実感している人はいるでしょうか?
このチラシでは都合のいいデータばかり掲載していて、都合の悪いデータは掲載されていません。
ただ、ここで大切なことを忘れてはいけません。
数字はウソをつかないが、ウソつきは数字を使う。

 

例えば、一見良さそうな指標を見てみると、「子育て世代の女性就業率」が8.8%上昇とありますが、これは裏を返すと、父親の給料が下がったためやむなくお母さんがパートや就職をしたと言えます。

 

続いて、「高齢者の就業者数」も255万人増となっていますが、これって良いデータなのでしょうか?
65歳というと年金で悠々自適に暮らすのが一番の幸せだと言えまずが、年金も少なく蓄えも不安だから働いてお金を稼がないといけないのではないでしょうか?

 

このグラフは2010年を100とした時の実質賃金の推移であり、とてもわかりやすいので掲載いたします。
グラフを見て一目瞭然で、小泉内閣から下降の一途を辿っており、民主党時代に少し盛り返したと思いきや、安倍政権で急降下をしているわけであります。
何故日本の資本主義が限界を迎えたかの理由を工業と小売業のミクロの視点で語っていこうと思います。

 

日本の工業の隆盛と没落のプロセス

日本は太平洋戦争終結後に急速に工業化を進めていきます。
太平洋ベルト地帯をはじめ日本全国にあらゆる工場が建設されて稼働していました。

 

私も1994年から10年間ほど地元の電子部品工場に勤めていました。
この工場ではフロッピーディスクの読み取りヘッドを経て、HDDやZIPのヘッドを製造していました。
皆様ご存知1995年はWindows95が発売されてITバブルが起こって、パソコンが急激に普及しました。

 

その流れで、私の勤める工場でも昼夜2交代でフル稼働することとなります。
北海道の田舎の工場にも関わらず、従業員は正社員とパートで200人も仕事をしていました。
この工場ではほぼ週休二日制だったのですが、土曜日は決まって休出であり毎日3時間残業をしていました。

 

こうして多忙を極めたものの、1998年にITバブルが弾けてパソコン部品の需要が急激になくなったて、ここらへんからおかしくなっていくこととなります。
まず正社員の募集はなくなった代わりに派遣社員に置き換わるようになりました。
そして、既存の正社員には本社地区の工場へ応援という名目で出向させられました。
つまり、社員が人から設備扱いされるようになっていくのです。

 

私も例外なく本社地区の工場へ出向されることとなり、慣れない土地へ強制的に移住させられます。
そして、新しい地での生活に慣れた矢先に地元に呼び戻されてしまいます。
私は出向を受けましたが、実は他の社員はこれを嫌がってかなりの人数の社員が退職していきました。

 

こうして、パソコン部品の需要が落ち込んだため、少ない人員で生産性向上をして利益を得る方針へ変わっていくわけです。
工程間のボトルネックを炙り出して改善に改善を重ねて、乾いたタオルを絞り出すことを地で行ってきたのです。

 

とはいえ、この工場ではどんどん仕事がなくなっていって、私も2度目の本社地区に飛ばされていきます。
今度は自動車部品の製造工場へと行くことになって、夏は灼熱、冬は極寒という環境や工場の体質に居心地が悪くなって退職するに至ります。

 

小泉内閣の時に規制緩和により工場労働者も派遣社員を認められました。
工場が派遣社員を使う理由は、工場の都合により人員配置がしやすくなるということに尽きます。
そして、派遣社員というのは簡単にクビを切ることもできることも大きいでしょう。
実際に私の勤めていた工場でも、仕事の出来ない人や、素行の悪い派遣社員は翌日からいなくなりました。

 

また、派遣社員を使う理由は税制も絡んでくることが無視できません。
正社員やパートで直接雇用の場合は会計上は給料として支払われます。
しかし、派遣社員の場合は外注費として派遣元に支払われます。
外注費は消費税を転嫁することができて、支払った消費税分を控除できるわけです。

 

つまり、派遣社員というのは労働力の仕入れとも言えるのです。
こうして生産性を向上させて、コスト削減をして作られた製品は自然と価格も下がっていくわけです。
ユーザーにとって製品の値段が安いことは歓迎ですが、その裏では従業員の賃金低下や雇用の不安定さが影を落としているのです。

 

小売業の安売り競争の成れの果て

その後は私は2012年から2016年にかけて食品会社に入社をして、カニや海産物のネット通販のスタッフとして働きます。
社員10人の小さな会社で卸売とネット通販をしていたわけです。
私は通販業界は初めてでしたが、既にネットビジネスを行っていたこともあり採用されました。

 

ここで商品知識や店舗運営を学んでいきましたが、大まかにネットショップのページの管理、お客さんの注文を受けて配送伝票作成、伝票から商品をピッキングして配送する業務となります。

 

入社前から薄々感じていましたがこの会社はブラック企業であり、経営者はとてもケチでありました。
まず給料はとてつもなく安くて、残業はないという体で、毎日2時間~3時間のサービス残業をしていました。
そして、休日は年間70日程度で「有給休暇ってナニソレ美味しいの?」という体たらくでした。
この社内方針からもわかるように従業員に対してカネをかける気がありません。

 

現在の小売業の病気とも言えるのが利益主義よりも売上主義というところでしょうか。
役員や上司からは「経費はなるべくかけないで、売上を最大化させろ」という指示が来ました。
これにより、まさしく乾いたタオルを絞るような販売コストを下げて、売上を多くする戦略を取ることとなります。

 

具体的には梱包のダンボールを取次業者からメーカーから直接仕入れるようにしました。
これは役員がメーカーと交渉して決まったわけですが、確かにダンボールの経費は3割ほどカットされました。
また、商品と一緒に同封するチラシや説明書も、地元の印刷会社からラクスルに変更したところ価格が半分以下となりました。

 

このような感じで人件費は元々最小限で販売コストも下げて、ライバル店と価格競争をしていくこととなります。
こうして11月~12月の地獄のような繁忙期を経て、それなりに利益を上げていきました。

 

こうして販売コストを抑えて様々な努力で利益を上げても、従業員にはほとんど還元されることはありませんでした。
私の勤めていた会社では毎年1,000万円~2,000万円の経常利益を上げていたわけですが、ボーナスは全社員年間一律10万円~15万円程度というところでしょうか。

 

その当時は
「法人税を半分くらい持っていかれるなら、少しくらい社員に還元すべきだろ」
などと思っていましたが、完全に私の見込み違いだったわけですね。

 

その当時の法人税はたったの23%そこそこであり、法人税を納めた残りは株主配当や内部留保になっていたわけです。
たかが社員10人程度の中小企業がグローバル企業のような経営をしていたわけですね。

 

日本のデフレが続く理由と解決するには?

日本では20年以上デフレが続いているのは事実であります。
私が製造業と小売業を経験して、なぜ日本がデフレが続いているかがわかりました。

 

いずれも、売上が増えないからコストダウンをすることで、商品価格を下げてしまうことなのです。
特に人件費が下がると従業員が正常な消費者にはなれないのです。

 

ここ最近はグローバリズムは時代の流れであり、このビジネスモデルに上手く乗れた人は大金を得られたでしょう。
ところが、グローバル化によって大金を得られる人はごく少数であり、残りの大半は負け組決定であります。

 

現在の日本では深刻なデフレですが、これを解決するには政府支出を増やす、公定歩合を下げる、日銀が買いオペをする。
これは中学校の公民の教科書に載っている内容ですが、残念ながら緊縮財政により政府支出は抑えられているのです。

 

これは財務省の方針である政府のプライマリーバランス黒字化を至上としているからであります。
この状態を解消するためには反緊縮反グローバルを名言している政党を応援しないといけません。

投稿者プロフィール

コピーライターひろし
コピーライターひろし
私は独りネットビジネスで自活する40代の男です。
当初は努力や根性でたくさんのサイトや記事を書けば成功すると信じていました。
ただ、この考え方を改めて、マインドセットを独りネットビジネスに書き換えを実施中です。

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