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高齢者の特殊詐欺について 老人喰いは世代間格差によって引き起こされる

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私はこの頃は読書に励んでいます。
読む本のジャンルはビジネス書の成功者の習慣や潜在意識の書き換えの本を読む一方で、この世界の現実を直視するための本も読んでいます。
先日は図書館で下流老人を読んでたのですが、この本の近くに老人喰いという本があったので読んでみました。

 

この本は特殊詐欺を行う若者を取材して現実を綴った本でした。
特殊詐欺とはいわゆるオレオレ詐欺や還付金詐欺のことで、件数も年々激増しているのです。
今回は老人喰いを読んでみて日本の特殊詐欺が増えているのは世代間格差が一つの原因と気がついたのです。

老人喰いを読んで若者が特殊詐欺に走る理由

この本の冒頭では特殊詐欺を行う事務所での出来事を再現しています。
とある駅前の雑居ビルに短髪スーツ姿の男が入ってきます。
エレベーターのボタンを押す時は指で押さずに握りこぶしを作って中指の第一関節を使います。
これは不用意に指紋を残さないという対策です。
若者たちが集合して朝礼をして、実際に仕事の際限がされています。

 

息子役と鉄道警察官役、被害者の父親役の3人で電車痴漢をでっち上げてターゲットの高齢者宅に電話をかけます。
実際に詐欺をするターゲットの個人情報は完璧に揃っていて、ターゲットの息子の名前や年齢、住処が詐欺師たちに把握されています。
電話では息子役は最初にちょこっとだけ電話をして、痴漢の被害者の父親役が迫真の演技でターゲットにキレまくります。
それを鉄道警察官役が被害者の父親役をなだめて話を進めるという流れで、首尾よくターゲットから金を引き出させます。
これは詐欺師の間では「テッケイ」と呼ばれるシナリオです。

 

こうした特殊詐欺ではトバシの携帯電話、事務所、詐欺ターゲットの名簿が3種の神器というわけです。
詐欺師というのは携帯電話や事務所から身元が割れて逮捕されるマヌケなことなやりません。
これらはいわゆる金主から資金を充てがわれて第三者名義で借りた事務所と携帯電話で詐欺を行います。
そして、メシの種である名簿はいわゆる名簿屋から買ったり、詐欺グループがあらゆる名簿から精度を上げたものを内製化して詐欺の成功率を上げるための加工を行います。

 

詐欺プレイヤーの育成は偽装ブラック企業で行う

特殊詐欺を行うプレイヤーは主に10代後半から30代前後の若者です。
老人喰いには詐欺プレイヤーの育成にもかなりのページが割かれています。
いわゆる一般的な若者をプレイヤーに仕上げるノービスクラスのプレイヤーの育成について触れられます。

 

詐欺プレイヤーの求人というのはタウン誌やアルバイト情報雑誌で電話営業社員として行います。
日給2万円という高給で求人するので多くの若者が集まります。
教育役の男は遅刻してきた男を怒鳴りつけて、集まった若者は震え上がります。

 

若者たちは会社が用意したスクリプトを読み込んで、実際に電話営業の訓練を行います。
遅刻してきたある若者が質問をするのですが、生意気な態度で胸ぐらを掴まれて殴られてしまいます。
こうして8,500万円の高級マンションの電話営業の訓練が始まります。

 

若者が電話をかけていつまでもコールし続ければ「すぐに切って次のやつに電話をかけろ!」と怒鳴られます。
こうして初日に何人かの若者が脱落して、翌日には墓地の電話営業をするように言われます。

 

ちなみに遅刻をして怒鳴られたり、質問して殴られた若者は現役プレイヤーであり詐欺グループの仕込みです。
この若者が殴られ役や率先して質問したりしている役割なのです。
この電話営業の訓練を10日続けて残った若者は5人に絞られます。

 

若者が特殊詐欺を行う大義名分

電話営業の訓練を終えて、教育係と仕込みを含めた新人プレイヤー候補がワゴン車に乗り込んで研修にで出かけます。
まずは平日のゴルフ場に行って、次に近くの昼時ののコンビニに生きます。
この平日のゴルフ場で優雅にプレイしているのは大企業で役員をしてたか引退した経営者か金の持っている高齢者です。
そして、昼時のコンビニは生気の抜けた工場労働者や、くたびれた外回りの営業マンが車の中で手早く昼飯をかき込んでいます。

 

ここで番頭の男が高齢者相手の特殊詐欺を行う大義名分を語ります。
昼間の平日のゴルフ場の悠々と遊んでいる高齢者とコンビニの働いている人を対比させます。

 

かいつまむと世の中ではクソの役にも立たない資格講座を金のない若者に売りつける商売がそれこそ詐欺であり、1,000万円持っている高齢者から200万円巻き上げるのは何も悪いことではない。
日本の老人はいつまでも金を手元に置いて使わないから不景気であり、消費をしない高齢者は若い世代の敵であり、日本のガン。
という感じで自分の詐欺行為をすることを正当化しています。
こうして、研修に残った5人の若者は詐欺プレイヤーの道に進むのです。

 

この詐欺グループの番頭の言ったことは詭弁でありますが、プレイヤー候補の若者にはしっかりと響いてプレイヤーになる決意をするのです。
これも親がお金がないために奨学金という借金をして大学を出てもロクな就職先がなかったり、会社に入ってもサービス残業やボーナスカット、昇給なしといったふうに不遇さを感じているからです。
それに対して、現在の高齢者は適当に就職した会社で十分な給料をもらい、定年退職で十分な退職金をもらい、しっかりと年金をもらえている事実に憎悪しています。

 

これが詐欺プレイヤーのモチベーションとなって、勤勉に詐欺行為を行い高齢者から金を巻き上げていきます。
時代が時代だったら、詐欺プレイヤーは普通の会社でしっかりと働き営業成績を上げることができたでしょうが、今の日本に彼らの活躍する機会がなかったのです。

 

詐欺プレイヤーの末路

こうして詐欺プレイヤーは逮捕のリスクを最小限にしながら特殊詐欺に勤しみます。
プレイヤーは詐欺で手に入れたうちのいくばくかを報酬として受け取って、ちょっとした財産を手に入れることになります。
やがてプレイヤーは店長になってプレイヤーをまとめる役になったり、さらに複数の店を束ねる番頭に出世する者もいます。

 

その中で多くのプレイヤーは引退して普通に就職する者もいます。
就職をした元プレイヤーは会社でのあまりのヌルさに拍子抜けしてしまい、またプレイヤーに戻る人がいます。
その一方で引退して飲食店など起業して失敗したり、ギャンブルや薬物に溺れてなまくらになってしまう元プレイヤーも少ないくないようです。

 

今回は老人喰いという本を読んでみて、若者の間には世代間格差を意識している人が多いという印象が伺えました。
それは時折Twitterなんかで若者の貧困や世代間格差についてのツイートが多くRTされていることでそう感じたのです。

 

若者には今の高齢者は高度成長期と共に成長する人生ヌルゲーと感じて、嫉妬している一面が垣間見えます。
ただ、どの世代でも時代に沿って上手に生きている人がいる一方で、割を食う生き方をしている人がいるのです。
もしも、自分が時代に対して割りを食っている生き方をしていると感じるならば、考え方をガラリと変えて成功者の生き方を手本とするべきなのです。


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投稿者プロフィール

冥王の帝国管理人
私は独りネットビジネスで自活する40代の男です。
当初は努力や根性でたくさんのサイトや記事を書けば成功すると信じていました。
ただ、この考え方を改めて、マインドセットを独りネットビジネスに書き換えを実施中です。

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